びんがた工房「くんや」

ぎぼさとしです。

紅型人生初の踊り衣装が無事完成し、御依頼主にお渡ししました！


後ろ姿です。


実は先週末に結婚式があり、花嫁衣装として着用されました。
おめでとうございます　

そしてこの依頼主の伊良波さゆきさんは沖縄芝居の役者さんなのです！
なので今後は舞台衣装として使われるそうです！
劇団の模様の松竹梅もしっかりいれました。

さゆきさんは若手の少ない芝居の世界では貴重な役者さんで、祖父さまは大正から戦後にかけて活躍した名優の伊良波尹吉さんです。
沖縄芝居の三大歌劇のひとつの「奥山の牡丹」の作者でもあり、色々な芝居、舞踊の振り付けなど手がけた偉大な方です。

先月は「伊良波尹吉生誕１２５周年記念公演　奥山の牡丹」が尹吉さんの出身地の与那原町でありましたので観てきました。


恥ずかしながら初めて生沖縄芝居を観ました。テレビでしか見た事がありませんでしたので....。
で、感想は「すっごく楽しかった！」です。　
楽しかったという表現が正しいのかはわかりませんが、なんか衝撃でした。
この公演は昼と夜の二回公演で、僕たちくんや軍団は昼の公演を観ましたが会場に着いてまずビックリしたのは若い人が僕たちだけで、ほとんどがじっちゃんばっちゃんでした。
そして芝居が始まると、近くのばあちゃんが芝居に合わせて歌っていました！しかも前半かなり全部歌ってました。（歌劇なのでほとんどの台詞が歌です。）すべて記憶してる〜！
そして悲しい場面になると会場のあちこちからすすり泣く声が〜！　
この会場の雰囲気も含め沖縄芝居なんだな〜とも思いました。
携帯が途中で鳴ってそのまま会話を始める人も数名いて、みんな自由だ〜と笑えました。
ちなみに夜の部は静かに観る、普通の感じだったそうです。昼観てよかった！


そして主役のチラーを演じるさゆきさん....素晴らしかったです！　
普段もすごくしっかりした方で20代なのに落ち着いていてかっこいいのですが
舞台ではもっとかっこよくて大きく見えました。
こんな方の衣装を作るお手伝いが出来るなんてすごいことかも、と思って感動でした。　

組踊とか沖縄芝居や琉球舞踊の世界は今は別々なんですが昔の役者さんはどれもこなしていたそうです。
そしてこれからはまたそんな時代が来るかもなんだそうです。
そんな若い人達の頑張りを応援しつつ　これからはもっといろんな舞台を観て楽しもうと思いました。
同じ時代の沖縄の伝統の中を生きるもの同士なにか通じるものがあるんですよね〜。



最後に、憧れていた踊り衣装制作の機会を与えてくださった伊良波さんに本当に感謝します。
初めてで慣れない事が沢山ありましたが、先輩方や和裁の方などのご協力を得て無事に完成しました。　
ありがとうございました。

紅型の仕事がますます楽しく開けてきましたよ〜！